クエロ 20F納車の翌月、2014年の2月。フロントのダブル化に続いて、標準装備のサドルとハンドルグリップ交換に着手します。そう、自転車沼をつつがなくズブズブと邁進しております。
サドルの交換
クエロシリーズには、標準で「クラシカルレザータイプサドル」が装備されています。見た目はスリムで、レトロなブラウンの鋲打ちタイプ。決して乗り心地も悪くはありません。
しかしながら、所詮は「レザータイプのサドル」。つまり、ビニール張りの合成皮革のサドルです。見た目はさておき、手触りはビニールレザーそのもの。これを本革レザーに変えてみてはどうか?クエロ 20Fを手に入れ、晴れて自転車沼入りした脳は、そう考えます。
そして早速、いつものAmazonを「レザー サドル」でキーワード検索し、物色を開始します。で、自分が見つけたのが、cycledesign(サイクルデザイン、Amazonのページにジャンプします)というあまり聞きなれないブランドのこれ。黒のトレッキングタイプで、レトロな鋲打ち仕様がクエロにしっくりとマッチしそうではないですか?
乗り始めのレザーサドルは、ひたすらコッチコチに硬い・・・
本皮レザーのサドルは分厚い一枚皮を成形し、サドルレールを取付けて作られています。話には聞いていましたが、これに跨ると見事コチコチに硬い・・・。中にクッションの詰まったビニールサドルの乗り心地が、はるかに快適で懐かしさすら感じます。
また、黒く染色した皮革をそのまま使うのも心配だったので、とりあえずは革靴用の無色の栄養クリームを塗布して乗り始めました。
自宅と駅の往復6kmの道のりで、こちらのサドルに跨り続けること約半年。コチコチに硬かった拷問サドルに、やっとある変化が訪れました。皮革が自分の体重でうまいことなめされ、空気圧の低いバスケットボールのような弾力をおびてまいりました。
一度この状態にまで到達すれば、本革サドルは乗り手のお尻の形状にどんどん馴染みます。そして、日に日にその乗り心地の良さが高まります。そして、最終的にある程度柔らかくなると柔軟化が止まり、以降はその状態がずっとキープされるのが実に素晴らしい。
こういう心地よい方向への経年変化は、ずばり天然素材のレザーの強みだね。これが、いわゆるエイジング?うん、間違いない。ビニールレザーみたいな化学的に作られた素材は、長い年月が経つとボロボロに劣化するだけなので。
お手入れが難しそうだけど?
お手入れに関しては、革靴のメンテナンスとほぼ同様なことをやっています。3〜4ヶ月に一回、クリーナーで汚れを落とし、栄養クリームを塗布してから、黒い靴クリームで仕上げてやります。白や明るい色のパンツを履く場合は、色移りの心配がありますが・・・。
靴クリームの塗布は、ウエスを使わず専用のブラシで行います。このあたり、YouTubeで「革靴 メンテナンス」のキーワード検索を行い、プロの靴屋さんが解説している動画が参考になります。
実際自分は、革靴と同じお手入れを定期的に行なっていたので、交換から6年が経った今もcycledesign(サイクルデザイン)の黒いレザーサドルを快適に愛用し続けられています。
おそらく、ビニール張りのサドルを6年も屋外に保管した自転車で使っていれば、外皮が経年劣化して破れ始め、中のスポンジがボロボロと崩れ落ちてくる頃合いではなかろうか?
初期費用こそ1万円以上のコストがかかる本革のレザーサドルですが、メンテナンスを欠かさず大切に扱えば、一生モノとなるでしょう。
レザーサドルと末長く付き合うには?
それでは、レザーサドルと末永くお付き合いするための注意点なんかを、以下に書き記してみましょう。
野球グローブ用のオイル使用は厳禁!
いくら、買ったばかりのレザーサドルがコチコチに硬いとはいえ、野球のグローブを柔らかくするオイルの使用は厳禁です!せっかくの高価なサドルが、やわやわのグダグダになってしまいます。
同様に、革ジャンなんかを柔らかくなめすオイルも避けるのが吉。あくまでもブルックスのサドル専用オイルや、上質な革靴ケアのクリームを使いましょう。
野ざらしの駐輪もまたありえない
革製品の大敵は水分、つまり雨です。雨ざらしの屋外保管など論外!せめて、屋根付きの駐輪場に自転車を置きましょう。
もしも、出先で予期せぬ雨に振られた時は、すぐに柔らかい布でサドルの水分を拭き取りましょう。そして十分に乾燥するまで、陰干しを行ってください。
それから、直射日光もレザーサドルの大敵です。雨に打たれたレザーサドルを、直射日光に当たる場所に放置するような行為を繰り返していれば、やがて色あせてボロボロにひび割れてしまいます。
どうか、愛情を持って扱ってくださいね。
グリップも本革レザーに交換
クエロ 20F標準のグリップは、サドルと同じく「レザータイプ」。素手で握る部分なだけに、ビニールレザーの感触がよろしくないし、何よりも滑る感じでグリップ感がとても貧弱・・・。
そこでサドルの交換にあわせて、ハンドルバーのグリップもcycledesign(サイクルデザイン)の黒いレザー製に置き換えました。
交換したてのレザーサドルはコッチコチに硬い。これは上に書いた通りですが、レザーグリップの握り心地は素手に吸い付くような、実に滑らかで上品な感触。クエロ 20Fの見た目も精悍になり、いや、正しい選択だった。
レザーグリップのお手入れ
レザーグリップのお手入れは、保湿効果のある革製品の栄養クリームをたまに塗って済ませています。アボガドオイル配合で、上質なヌメ革にも安心して使えるちょっとお高いやつ。
財布や靴の手入れにも愛用していますが、これを塗布してやるとツヤ消しの革製品がツルツル・スベスベな見た目で、実にしっとりとした手触りになります。
デリケートな革製品のお手入れに、激しくお勧めいたします。