これは良い!スマホ(iPhone X)のマウントを、中華のノーブランド品からSpigenのGEARLOCKに変えてみた感想は、この一言に尽きます。今日は、その取り付け方法や、気になる実際の使用感をお伝えいたします。
汎用性は高いが、振動が気になる中華のスマホホルダー
自分が自転車のスマホ ホルダーに求めた条件は?
昨年のtern RIP 2020モデルを購入と同時にあれこれと買い揃えた初期の装備品に中華のスマホホルダーがあります。Amazonにあったノーブランド品ですが、
- ハンドルバーの取り付け位置の自由度が高い
- スマホの着脱が容易
- スマホを縦横の向きに回転できる
- スマホ本体の機種・形状を選ばず、汎用性が高い
- SUICA決済、欲を言えばワイアレスのQi充電が可能
- 初期の装備品集めにあれこれ予算がかかっているので、できるだけコストを抑えた製品
上の条件を考慮して、最初にチョイスしたのがこれ。だいたいの希望は満たせましたが、しかし、このホルダーには決して無視できない大きな問題が潜んでいました・・・。


iPhone Xが縦方向に跳ね散らかす・・・
こちらの中華のスマホホルダーには、スマホの四隅をベルトに引っ掛けて固定する方式(※)が採用されているため、路面の状況によってはハンドルバーの振動をかなり拾ってしまい、スマホ(自分のはiPhone X)がバンバンと縦方向に跳ねるのです・・・。
※しかもこの方式は、何気に着脱が面倒です。また、スマホの機種によっては、背面のカメラを覆ってしまう場合もあり。
さすがに、走行中にiPhone Xが脱落するほどではないですが、カメラの付いた精密機器にこれほどの振動が伝わるのは致命的。最悪、カメラのフォーカス機能が故障したり、iPnone X内部の細密な配線に悪影響を及ぼす恐れがあります。
というわけでRIP乗り出してから、この中華のスマホホルダーを使ったのはほんの数回。ほとんどiPhone Xをハンドルバーに取り付けることなく、早々にお役御免となりました。サス付きのMTBや原チャリのハンドルなら、それほど振動に対してナーバスにならずに済んだかもしれませんが・・・。
そこで、SpigenのGEARLOCKを導入
XOSSのスピードセンサー導入を機に、スマホのマウントを再考する
しかし、ちょうど数ヶ月前、XOSSのスピードセンサーを導入したので、やはりiPhone Xをサイコンやナビとして活用したくなるのが人情というものです。そこで、何かもっと質の良いものはないか?と、Amazonを徘徊してたどり付いたのが、これ。iPhoneのケースでは定評のあるSpigenのGEARLOCKシリーズです。
GEARLOCKシリーズは、iPhone(X/XS〜12 mini/Pro/Pro Maxまで対応 ※2021年7月現在)の専用ケースと、自転車のハンドルバーに取り付ける数種類のマウントブラケットからなるラインナップ。お持ちのiPhoneの機種とハンドルバーの形状に合わせて、ケースとブラケットの組み合わせを選べます。
似たような製品にQuad Lockがありますが、ただし、あちらはお値段がバカ高すぎる・・・。
それでは、マウントブラケットからご紹介します
下が、Spigen GEARLOCKのバイクマウント(型番:MS100)のパッケージと内包物です。主にアヘッド型のステムに固定するタイプ。

ブラケットの取り付けは、まず、ステムに通したバンドクランプをある程度指できつく締めてからイモネジを差し込み、付属のアーレンキーで仮止めを行います。最後に、本体上の十字形のアダプターの位置決めをしてから、付属のイモネジを増し締めして本固定を行います。

ちなみに、自分のtern RIPのステム長は60mmとかなりのショートタイプですが、ブラケットの上下がわずかに干渉するものの、がっちりと固定することができました。ステム長が60mmより短くなると、取り付けは難しいかも・・・。

また、標準的な22.2mm径のハンドルバーにはバンドクランプが緩く、固定はできませんでした。60mmより短いステムや、31.8mm未満のハンドルバーにGEARLOCKのブラケットを取り付けたい場合は、同社のMF100という姉妹品があります。
両面テープで貼り付けるユニバーサルアダプターが付属
GEARLOCK MS100のパッケージには、両面テープの付いたユニバーサルアダプターが付属します。こちらを汎用品のケースに貼り付ければ、すぐに手持ちのスマホをマウントできますが、GEARLOCKはポリカーボネイト製のケースを推奨しています。シリコンやTPU素材のケースでは、走行中に剥がれてスマホが脱落するリスクがあるのでご注意あれ。

また、両面テープをスマホの本体に直接貼り付けるのも、当然のごとくメーカー非推奨です。
GEARLOCK購入の本丸:iPhone X専用ケース
それでは、今回GEARLOCKをチョイスした本題に参ります。GEARLOCKシリーズの開発元は、iPhoneのケースで評価の高いSpigen製だから。自分の使っているiPhone Xの専用ケースの背面には、専用のジョイント機構が配置され、ステムに取り付けたブラケットへ簡単に着脱できます。

ベースのデザインがSpigenのケースなので、iPhoneのスイッチ類の操作感や、スピーカーやカメラのレンズ位置にある窓穴も完璧。さらに、ケースの内部が黄色い緩衝材で保護されているのも好印象。これなら、自転車の走行中に起こる振動や衝撃に対して、iPhone Xを安全・安心(苦笑)に使えるというわけです。

ケースとブラケットの着脱はとても簡単
それでは、実際にiPhone Xを入れたケースをブラケットに取り付けてみましょう。手順は非常に簡単で、まずケース背面のジョイントをブラケットに45度で差し込み、続いてケース本体を垂直、もしくは水平方向に回転します。これで、ガッチリとロックが完了。

ケースを外す時には、再度45度の位置に戻せば簡単に外れます。ブラケットに取り付けたケースは縦、横の両向きで使用できますが、斜め45度はジョイントの着脱位置となるため、回転中はご注意ください。

もしケースがブラケットにロックして外れなくなったり、回転できなくなった場合は、下の図のように、1:リリースレバーを右方向に押し、2:ケースを反時計回りに45度回転させてください。何らかの拍子で、ロック機構が働いてしまう場合があります。

テスト走行で20kmほど走ってみたインプレは?
使い勝手は概ね良好
以下、iPhone Xをtern RIPのステムにマウントし、20kmほどテスト走行を行ってきたので雑感を書き記します。
アプリのCyclemeter(iOS/Android)をサイコンとして使い、音楽を聴きながら、いつもの走り慣れたコースへと向かいました。もっとも懸念していた路面から受ける振動ですが、ブラケットがステムにしっかりと固定され、また、ジョイント機構がケース背面の中央に配置されているため、ハンドルバーの振動を受けたバタつきは皆無。非常に安定感があります。
多少、路面の状態が悪くても、決してiPhone Xが縦方向に暴れる心配がありません。また、ジョイント機構もしっかりと出来ており、走行中にiPhone Xが脱落する心配も無さそうです。ただし、上述した通り、ケースをブラケットに対して45度に回転するとロックが外れる機構であるため、走行中には本体を回転しないのが無難かと思われます。
電源やヴォリュームボタンを押した感触も非常に良く、信号待ちの停車時なら、ストレスのなくiPhone Xを操作できます。また、ケースとブラケットの着脱が非常に簡単なため、気に入った景色があれば、すぐに停車してカメラを使えます。
途中で立ち寄ったコンビニで、SUICA決済も問題なく行えました。やはり専用品(iPhone X/XS用ケース)は、その強みが遺憾なく発揮されます。
難点はステム位置への取り付け、そしてQi充電がやや微妙
難点を上げると、ステム位置に取り付けたiPhone Xの画面に目をやる際、走行中の視点が下がりすぎることです。特に、地図を見る時間の長くなるナビアプリなどを使う場合、下向き運転は非常に危険です。ナビを確認する場合は、いつでも止まれるくらいに巡航速度を落としたいと感じました。

これはブラケットの取り付け位置の問題であるため、ハンドルバーにマウントできる姉妹品のMF100なら、幾分解決されるかと思います。iPhoneの位置をハンドルバーより前方に固定できるため、ステムを見るほどには視点が下がらないからです。
また、ケースの背面中央にジョイント機構があるため、ワイアレスのQi充電がやや微妙になります。自分が所有するQi充電機では、iPhone Xを置く位置が少しずれると充電が途切れます。ワイアレス充電に関しては、個人の所有するスマホとQi充電機の環境に依存するので何とも言えませんが、諦めてケーブル充電をするのが手っ取り早いかも・・・。
と、GEARLOCKにも長所と短所がありますが、普段使いのiPhoneケースとして持ち歩けて、さらに、RIPに乗る時には即座にマウントできるこのシステムは、現段階で最強と言えるかも。
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