tern RIP 【悲報】フロントホイールのニップル外れ、からのバタバタな修理作業

tern RIP 【悲報】フロントホイールのニップル外れ、からのバタバタな修理作業
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数日前より、tern RIPで走行中、フロントホイールに「カラカラ、ビリビリ」と言った異音を感じ始めました。RIPに乗って早くも7ヶ月、前後タイヤのローテーションを行おうと改めて前輪を観察すると、スポークの先端をリムに固定するニップルが、ひとつ外れているではないですか!

いや、これは一大事だ・・・。

そもそもニップル外れとか、どうやって修理するんだ?

フロントホイールから聞こえる異音の正体

tern RIPのフロントホイールから発生する、「カラカラ、ビリビリ」というかすかな異音。出先で前輪を確認しても、まったくその正体と原因が分かりませんでした。ただし、何かしら不気味な不具合が起きているような、イヤな予感がします。

それはさておき、今年の4月にtern RIPを購入して早くも7ヶ月。そろそろ、前後のタイヤを入れ替えてローテーションを行うべく、フロントホイールをフレームから外してみると・・・。

スポークの先端をリムに固定するニップルが1本脱落し、ホイールの中を転がり「カラカラ」と音を立てているではないですか・・・。そして「ビリビリ音」の正体は、ニップルの外れたスポークの先端が振動して、リム接合部の穴に当たっているのだと合点がいきました

しかし、どうやって修理するんだよ、これ?と、まずは途方に暮れます・・・。

脱落したニップルをホイールから取り出す

まずは、脱落してホイール内を転がり、カラカラと音を立てるニップルを取り出すのが先決です。ニップルが欠けて破損しているのか、あるいは、ただねじ込みが緩んでスポークの先端から外れただけなのか?それを把握しないことには、次の対処方も決まりません

フロントホイールをフレームから取り外し、さらにタイヤとチューブも外して、ホイールをむき出しにします。続いてホイールを両手で持って左右に静かに回転して揺らし、バルブ穴からやっとこさ、小さなニップルを下に落とします。まったく手間のかかるトライ&エラー(※)を幾度も繰り返して・・・。

※自転車系YouTuberのB4Cさんも、自身のブログでこの作業を「ガラガラ抽選会」と表現しています(苦笑)。

tern RIPのフロントホイール内に脱落したニップル
写真左:ホイールを静かに揺すって、なんとかバルブ穴から取り出したニップル。長さは12mmサイズ。 写真右:正常なニップルは、ネジ切りをしたスポークの先端をリムに固定しています。このねじ込みが何故か緩んで、ニップルがホイール内部に脱落しました。

上は、ホイール内を転がっていたニップルの写真。見たところ、ニップルに欠けたような損傷はなさそうです。後は、スポーク先端に切ってあるニップルを繋ぐネジ山がバカになっていないのを祈ります。

しかしどうやって、スポークの先端にニップルをねじ込む?

ニップルの頭にはマイナスドライバーをかける溝があり、スポークの先端に切られたネジ山に締め込んで再接続を行います。まあ、この作業が、そう一筋縄ではいかないわけですが。

まず、リムの内側にはリムテープが貼ってあり、これを剥がさない限りはニップルを差し込む穴がありません。ニップルとスポーク先端のネジ山がバカになっていないことを確かめるべく、リムテープの該当の箇所にカッターで小さな穴を空けました。

次に、ニップルの素材はアルミか真鍮でできているので、ドライバーのマグネットが吸い付きません。ネジ切りしたスポークの先端があるのは、リム内側のわずか数ミリの位置。一体これを、専用の工具も無しにどうねじ込めと?

仕方がないので、マイナスドライバーの先に外れたニップルをセロファンテープで巻きつけ、先ほど空けたリムテームの穴に差し込みます。果たして、ドライバーをゆっくりと右に回すと、静かな手応えあり!ネジ山はバカになっておらず、見事、スポークの先端と外れたニップルの再接続に成功しました。

tern RIP ホイール内に脱落したニップルを、マイナスドライバーでスポークにねじ込む
写真左:ニップルが脱落した箇所のリムテープに、カッターナイフで穴を空ける。 写真右:マイナスドライバーの先にニップルをセロファンテープで巻きつけ、スポークの先端にアプローチ。そして、見事ねじ込みに成功。

ただし、ニップルを繋ぎ直したしたスポークのテンション(※)が適正なのか?こればかりは、専用の計測工具がないとわからないため、だいたい周りのスポークと同じくらいの張り具合で、しばらくは様子を見るしかありません。

※スポークの張り具合:ニップルの締めたり緩めたりして調整します。スポークのテンションは、ホイールの乗り心地や、回転時の振れにも影響を与えます。

次なる悲劇:チューブをパンクさせて、からのリムテープ巻き直し

まだまだトラブルは続きます

リムテープには、小さな穴を1つ開けてしまいましたが、あいにく予備を持っていなかったので、「このままチューブを入れて、タイヤも付けちゃうか?」などといった邪神が頭をもたげます。そして、フロントホイールへタイヤの組み付けを済ませ、フロアポンプで空気を入れ始めます。

しかしながら、ポンプの空気圧計が6barに達した辺りで、タイヤから「プシュー」っと空気の抜ける嫌な音がします。やはり、リムテープに穴を空けた箇所で、チューブにも穴が空いてしまいました。つまり、チューブがパンクしました・・・。タイヤの中で膨張したチューブが、高圧な空気に押されてリムテープの穴にめり込むのだから、当たり前だよね

リムテープを貼り変えずに済まそう、などという素人考えの目論見は甘すぎた・・・。

写真左:パンクしてしまったチューブは仕方がないので、そそくさと修理を済ませます。 写真右:初期出荷の黄色いリムテープを剥がすと、RIPのホイールの内径は16mmでした。

で、そそくさとパンク修理を済ませ、Amazonで650Cホイールに巻けるリムテープを検索します。見つけたのは、Vittoriaのリムテープ。16mmと18mmの2サイズがありました。リップのホイール内径は16mmなので、ひと回り大きい18mmをチョイス。

そもそも、RIPのホイールに巻かれた黄色い初期出荷のリムテープの横幅は、20mmありました。18mmのリムテープでも横幅は十分か?やや心配ではありましたが。サイズ感は下の写真のように悪くありませんでした。気になる耐空気圧ですが、最高で10barまでの高圧に対応したリムテープなので、こちらの心配はなさそう

真新しいVittoriaのリムテープを巻いたtern RIPのフロントホイール
真新しいVittoriaのリムテープを巻いたtern RIPのフロントホイール。

再度タイヤを組み付け、ふたたび走行可能に

真新しいリムテープも巻けたところで、再度フロントホイールにタイヤを組み付け、やっと作業が完了しました。脱落したニップルを繋ぎ直したスポークのテンションや、パンクを修理したチューブが心配でしたが、その後、8.5barの空気を注入して50kmほど走行しても特に不具合なし。

ニップルの脱落を発端に次々と起こったフロントホイールのトラブルも、やっと一件落着です。いや、今回は本当に疲れた・・・。

さらにこれは余談となりますが、リムテープを剥がしたtern RIPのフロントホイールの重量を計測すると、ちょうど960gでした。アルミ製のセミディープとしては、なかなかの軽量ホイールなのでは?

自転車から異音がしたら、とにかく念入りな原因究明を

スポーク一本の不具合がホイール全体の不具合へ

今回はたまたま、RIPのフロントホイールのニップル脱落に早く気づいて大事には至りませんでしたが、自転車に乗った時に何らかの異音を感じたら、まずは念入りな原因の究明をお勧めします。

例えば今回のケース。ニップルがひとつでも脱落したホイールでそのまま走り続けると、全体にかかる重量のバランスが崩れ、他のスポークが折れたり、曲がったりする原因にもなります。最悪、ホイールが変形などといった事態にも繋がりかねません。

ただでさえ選択肢の少ない、RIPの650Cホイール。大切に付き合いたいものです。また、重大な事故を避けるためにも、不具合の対処に自信のない場合は、早めに技術者のいる自転車店へご相談を。

どこまで備える?ホイールとスポークの不具合

今回のニップル脱落のバタバタ劇で、自分的にこれくらいは用意しておいた方が良いかな?と学んだ補修工具とパーツを箇条書きしておきます。

  • リムテープ(リムテープは既存のを剥がさないと、ホイールの内側からスポークの先端にアプローチできない)
  • スペアのニップル(ニップルが破損した場合に交換)
  • スポークレンチ(ニップルの締め直しに)
  • スポークテンションメーター(ニップルの締め加減が分からないので)

ただし、スポークが損傷(曲がる、折れるなど)してしまった場合ですが、スペアを常備するのはあまり現実的ではありません。同じ自転車でも、ホイールのスポーク長はそれぞれ。フロントとリア、しかも左右で長さが異なるケースもあるため、スペアを持つには種類が多すぎるからです。また、スポークの不具合が原因でホイールが振れてしまった場合も、最初は専門店に相談するのが無難といえるでしょう。

振れ取り台を購入してホイールのメンテナンスが自分で出来れば、走行性の向上やブレーキ調整のし易さなどにも応用が利くので、今後の課題として、いつか挑戦してみたい所存であります。究極のゴール地点は、やはり神の領域のホイールの手組みか?


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