tern RIP 【悲報】疲労困憊のスローパンク、からの修理で1日が潰れる

tern RIP 【疲労困憊】無限のパンクループの修理で1日が潰れる
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仕事のある日はいつも、帰宅後の夕食前に15kmほどのナイトライドに出かけるブログの中の私。今日は、つい先日見舞われた悪夢のようなパンク体験について、あれこれ書き記してみます。まったく、心の折れるような出来事でしたが、それはタチの悪いパンクから、色々と学ぶことも多かったので・・・。

自宅まであと4km、悪夢のスローパンクが始まる

そもそも、厄介極まりないスローパンクとは?

その日、いつも出かけるナイトライドのコースの2/3ほどを走り終え、自宅まで残すところあと4kmくらいの地点に差し掛かりました。今日の晩飯は、何にしようかな?などと呑気に考えていると、なんとなくリアタイヤの空気圧が下がっているのに気づきます。路面の凹凸を踏むリアタイヤの感触がフニャフニャし始め、クランクを漕ぐ足も若干重くなります。ゆっくりとしたエア抜けで、タイヤの張りが徐々に失われてゆくので・・・。

そう、これが俗に言う「スローパンク」です。何かの拍子でチューブのバルブコア(空気入れの差し込み口)が損傷したか、もしくは、チューブにピンホールのような小さな穴でも空いたか?

スローパンクに見舞われた場合、そのままでも1kmくらいは走行可能であったりします。何せ、画鋲や釘のような分かりやすい物を踏み、突然タイヤから空気が抜けてペシャンコなるわけではないので・・・。故に、パンクに気づいた頃には、とうに現場からはるかに遠ざかっていて、そもそもの原因が何だったのか?その究明が、非常に厄介だったりします。

ただし、いくらスローとは言えパンクはパンク。ある程度のところで走るのをあきらめて自転車を降りないと、タイヤ、チューブ、そしてホイールのいずれもが損傷をいたします。

tern RIPを押して、トボトボと3kmの道のりを歩く

自分は、出先でのパンクに備えて三種の神器(スペアチューブ、タイヤレバー、CO2ボンベ)をいつも携行していますが、もう夜だし、どうせ歩いても自宅まで3km程度の距離までたどり着いたので、RIPを押しながらトボトボと歩いて帰宅をしました。

tern RIP: 三種の神器:左からスペアチューブ、タイヤレバー、CO2ボンベを過信してはならない。
三種の神器:左からスペアチューブ、タイヤレバー、CO2ボンベだが、決してこれらを過信してはならない。

そして、後から、この日はこれで良かったと気づくことになります。詳しくは後述しますが、スペアチューブに入れ替えたところで、どうせすぐに次のパンクを経験すると分かったので・・・。

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貫通パンク、からのタイヤ内部に異物残留

まずはチューブとタイヤの損傷を確認

その日はグッタリと疲れてしまったので、パンク修理は翌日に腰を据えて行うことにしました。まずは、タイヤからチューブを抜き取り、少量の空気を注入し、水を張った洗面器に浸けます。バルブの先端から空気の漏れはないので、ここは無事。

ではチューブを見てみましょう。丸い輪っかのチューブを時計の文字盤に見立て、バルブがある位置を12時とします。そうして、5時のあたりに1mm以下の小さな穴が空いており、ここから気泡がブクブクと漏れているのを発見します。

tern RIP: タイヤ側面のロゴとバルブの位置を合わせる
写真左:ちょっと見づらいですが、タイヤ側面のKENDAのロゴの中央へ、バルブの位置を合わせてあります。 写真右:スローパンクが発生するとチューブの空気圧が下がるため、バルブナットがホイールから浮いて数ミリの隙間が生じます。まだ走行は可能でも、スローパンクを見分ける目安に。

こうして、日頃からバルブとタイヤのロゴの位置を合わせておくと、パンクをした時にタイヤの損傷箇所が発見しやすくなります。チューブに空いた穴の位置(今回は5時の位置)から、タイヤ外側の該当箇所に当たりをつけ、傷口や突き刺さった異物が残っていないかを確認をします。

しかし、いくらタイヤの表面を観察しても、異物どころか、それらしき穴や傷跡すら見つかりません・・・。

悪夢のスローパンク再発!

運悪く前回タイヤの取り付けを行った際、砂やホイールの切子(小さな金属の削りカス)が内部に入り込み、チューブに噛んで穴が空いたか?タイヤの表面に損傷が見当たらないのでそう思い、ごく普通にチューブにパッチを貼り付け、パンク修理を済ませます。そして、ホイールにリアタイヤとチューブを組み付け、RIPのフレームにガッチャンコして、テスト走行に出てみます。

そして、3kmほどRIPを走らせ帰宅をすると・・・、リアタイヤからは、またもやシューシューと空気の漏れる音がする。

おい!さっき修理したのに、またスローパンクかよっ!!!

しかし今度こそ、タイヤ表面、バルブ反対側の時計の7時のあたりに僅か2mmほどの小さな傷を発見。タイヤの内部の空気圧で傷口が開き(これでやっと傷口が見えた)、そして、そこからから空気が元気よく吹き出している・・・。

tern RIP: この小さいのが、今回問題の極小極悪なパンク穴。空気が漏れ出して傷口が開かないと、とても肉眼では発見できないレベル。
この小さいのが、今回問題の極小極悪なパンク穴。空気の漏れる勢いで傷口が開いていないと、とても肉眼では発見できないレベル。

とにかく、リアタイヤに何かが刺さったのは分かったので、再度チューブを抜き取って状態を確認すると、先ほどパッチを貼った5時の位置の反対側、つまり7時の位置に新しい穴が空いています・・・。これは、図らずもチューブの向きを逆にしてタイヤに入れたため、ちょうど左右対称の位置が新たにパンクしたと言うわけです。

つまりタイヤにはまだ、何かしら突き刺さった残留物が残っている!

もし、タイヤのロゴとチューブのバルブの位置を合わせていなかったら、これに気づかず、チューブの修理をいくら繰り返しても、無限のパンクをループを経験していたでしょう。まったく、恐ろしい・・・。

タイヤに食い込んだ残留物の除去

タイヤの表面、7時の位置に空いた2mmくらいの傷の内側を見ます。すると、1mmあるか?くらいのとても小さな白い三角形の破片が、タイヤを貫通してわずか内側へと顔を出しています。ただし、人差し指の爪を引っ掛けても、鋭く突き刺さったこの破片はビクともしません

無理をすると指先をケガするので、ラジオペンチの先端でその破片を摘みます。すると、ガラス片のようなゴリっと硬い感触があり、簡単に砕けてしまいました。そのまま、ラジオペンチの先端でタイヤの内側を丁寧にほじくり、この微細な破片のゴリゴリした感触が無くなるまで、徹底した除去を行いました。

tern RIP: タイヤ内部に残留した破片に気づかず、5時と7時の位置に穴の空いたチューブ。パッチ2枚で修正済み。
タイヤ内部に残留した破片に気づかず、5時と7時の位置に穴の空いたチューブ。パッチ×2枚で修理済み。パッチがやけに大きいのは、手持ちの在庫がこれしかなかった・・・。

そして、チューブに空いた2つ目の穴にパッチを貼り、ホイールにタイヤを組み付け、RIPのフレームにまたもやガッチャンコ。一体、一日に何回やるんだよ、この作業!おかげで、休日がまるまる潰れたよ・・・。

今回の貫通スローパンクから学んだ、多くのこと

出先でのスペアチューブ交換は、必ずしも役にたたない

まずは、この発見につきます。何かの小さな破片がタイヤに突き刺さり、内部に残留してしまうと、出先では発見と除去がほとんど不可能です。特に暗い夜間はとうてい無理。タイヤに突き刺さった小さな破片をほじくり出すために、わざわざラジオペンチも携行してないので・・・。

そして運悪く出先でこのようにパンクを経験したら、スペアチューブを入れても、タイヤに残留した破片で新しい穴が空くだけです。なので、日常のライドを行う限り、パンク対応の三種の神器を携行するのはやめました(※)。無駄に荷物が多くなるだけだと悟ったからです。

※今回のようなスローパンクであれば、携帯ポンプで空気を入れながら、だましだまし自宅まで自転車を乗り継ぐという選択肢もありますが。

今後、出先でRIPがパンクした場合、自宅まで歩ける距離であれば、RIPを押して地味に帰ります。歩いて帰るには厳しい自宅から遠方であれば、加入している自転車保険の「ロードお助けサービス(自走できなくなった自転車を、車で50kmまで無料で搬送してくれます)」を素直に呼ぶことにしました。

タイヤのロゴとバルブの位置を合わせる

ホイールにタイヤとチューブを組み付ける際、タイヤのロゴの中心とバルブの位置を合わせておきましょう。これを行わないと、チューブの穴からタイヤの損傷箇所が特定しづらく、無限のパンク地獄に陥りかねません。

さらに、スリックタイヤのように特に進行方向の指定がない場合は、タイヤのロゴは自転車に跨って右側、のような独自ルールを決めておくと後々の対処が楽です。今回、自分が経験したパンクのようなケースでは、タイヤ内部のチューブさえも進行方向を決めておくべきだった・・・。

パッチを貼り付けたチューブは一晩寝かせてから使う

空気圧がせいぜい3bar程度のママチャリのタイヤならいざ知らず、7〜8barの高圧タイヤの中のチューブにパッチを貼ったら、一晩寝かせて翌日から使いましょう。ゴム糊がカッチカチに硬化してからでないと、ごく微量の空気が生乾きのゴム糊の隙間を押しのけて気道を作り、そして外側へと流失します。自分はこれを、水を張った洗面器で何度も確認しました。

しばしば、高圧タイヤに生乾きのゴム糊は、「パッチを貼っても空気が漏れるスローパンク」が起こりえます。ここは、はやる気持ちをグッとこらえて、一晩待ちましょう。でないと、いつまで経ってもパンク修理が完了しません

耐パンク性能の高いタイヤを使う

自分は、ミニベロ(小径車)のクエロ 20Fのタイヤに、パナレーサーのミニッツ・タフや、シュワルベのマラソンといった耐パンク性能の高いタイヤを履かせています。実際、5〜6年の運用をしてみて、これらのタイヤでパンクをした経験が一度もありませんでした

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クエロ 20F タイヤ交換にまつわる話
2014年の1月に購入して以来、愛車のクエロ 20Fも前後で4セット目のタイヤとなりました。タイヤ交換も自分で覚えてしまえば、出先でのパンクにも対応できるし、あれこれ好きなタイヤを選んで試せるしね。

したがって、RIPに初期装備のタイヤ(KENDA 650C x 25C ※)がこれほどパンクに弱いとは、正直、気づいていませんでした。

※10万円以下のクロスバイク(完成車)に初期装備されたタイヤの性能は正直、安価な「お試しタイヤ」の域を出ません。後は、自分の用途に合わせて好きなのに交換するとか、お試し品でも特に不満がなければ寿命まで乗り続けるとか、そこはユーザー各自の判断でご自由にということか?

しかしながら、ただでさえ交換タイヤの選択肢の少ない650Cホイール。耐パンク性能の高い交換タイヤの候補となると、Continental GatorSkin 650c(wiggle.jpのサイトにジャンプします)一択となりそうですが・・・。

コンチネンタル GatorSkin(ゲータースキン)シリーズには、パンクを防止する最新テクノロジーであるアラミドブレーカー、Duraskin® サイドウォール プロテクションが採用されています。とのこと。
コンチネンタル GatorSkin(ゲータースキン)シリーズには、パンクを防止する最新テクノロジーであるアラミドブレーカー、Duraskin® サイドウォール プロテクションが採用されています。とのこと。

さて、その名も「ワニ皮」。実に頼りになりそうなコンチのGatorSkinを、海外通販のwiggle.jpでポチりました。脆弱なタイヤのパンクでチューブを何本もダメにするくらいなら、最初からタフなタイヤに履き替えたほうが経済的かつ、精神衛生的にもよろしい。コンチのワニ皮が無事に手元に届いたら、改めてRIPへの取り付けを記事にしたい所存です。

それにしても、前回のエントリーを書いてから約10日。今年の12月は何やらタイヤ・ホイール周りの厄介なトラブルが続いております。下はその時の記事、フロントホイールからニップル脱落となります。


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突然のパンクに備えて、RIPのセミディープリム・ホイールで使えるチューブを用意しておきたい。

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tern RIPは、リム高41mmとそこそこディープな黒ホイールを履いています。ローハイトのホイールと比較を行なったわけではないので、これがもたらすエアロ効果は未知数ですが、なによりもルックスが非常に良い。しかしながら、メンテナンスを考えた時、交換チューブはどうする?

2020年12月26日(土)追加記事:イギリスのWiggle.jpから、念願のGatorSkinが届きました。

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先日、夜間の走行中にRIPのリアタイヤがスローパンクする事態に見舞われ、その原因究明と修理に翌日の丸一日を費やす、といった悲劇がありました。したがって今日は、RIPのタイヤを交換。コンチネンタルのGatorSkinに履き替え、耐パンク性能の向上を図る作業を行います。
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