初手困惑 自転車のフレームサイズって何?

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今日は、自転車の初見さん(自分もそうでした)が、いざスポーツバイクを購入しよう!意を決してそう思い立った時、いささか困惑を覚えるかもしれない「フレームサイズ」という用語について、ざっくりと解説をいたします。

読んで字のごとく、フレームの大きさを表しているのは分かるけど、一体フレームのどの部分を測っているの?そんな素朴な疑問にお答えしてまいります。

同じ車種でも複数のフレームサイズがある

スポーツバイク、クロスバイクの車種を選ぶ段階で非常に重要なのが、この「フレームサイズの選択です。フレームサイズが自分の体格に合っていないと、後々、自転車に乗るのが本当にしんどくなります

フレームサイズは、ボトムブラケット軸の中心から、シートチューブの上端までの長さです。はい、すでに難解な自転車用語が出てまいりました・・・。なので、これを平たく言い変えると、

フレームサイズ = クランク(ペダルを漕ぐと回転する棒)の付け根の中心から、シートポスト(サドルが付いてる棒)を差し込む入り口までの長さ、といったところでしょうか?下に図を用意いたしました。

では、どうしてフレームサイズの違いが、そんなに重要なのか?これはざっくり言うと、自転車にまたがった時の足つきの良さとハンドルまでの手の届きやすさが、かなり大きく変化するためです。つまり、ご自身の体格にフレームサイズが合っていないと、自転車に乗っている間、不自然な姿勢がずっと続くこととなります。

体格に合わないフレームサイズが原因で、せっかくスポーツのつもりで買った自転車に乗ってもただただしんどく、結局はいつの間にか乗らなくなってしまった。なんて事態を招いてしまうのも、決して大げさではありません。

フレームサイズに悩んだら、小さめを選ぶが吉

大抵のロードバイクやクロスバイク、小径車(ミニベロ)の場合、メーカーは同一の車種に複数のフレームサイズをラインナップしています。少なくとも2〜3種類、多ければ20〜30mm刻みで4〜5種類のフレームサイズが存在するなんて場合も(例:tern Clutchなど)。

メーカーはフレームサイズごとに適正身長を示していますが、仮に身長170cmの自分が、450mmと500mmのフレームサイズのどちらを選ぶか悩んだ場合、間違いなく小さい方を選択します。

シートポストは上に伸ばせるし、ハンドルに関しては実に様々なスタイル(フラットバー、ドロップ、ブルホーン、他)があるので、後からいくらでも交換が可能だからです。

むしろ、ハンドルを付け変えるのは、カスタマイズの醍醐味とも言える領域です。ハンドルの伸びしろ(ドロップの下ハンやブルホーンの先端を握ると、必然的にハンドルが遠くなる)を確保する意味でも、小さめのフレームサイズは有利に働きます

自分の経験上、自転車は長いものを縮める(高すぎるサドルを下げたり、遠すぎるハンドルを何とか手前に引き寄せる)より、短いものを伸ばす方が、圧倒的にポジション出し(※)が楽であると考えます。

ただし、自転車店で実車に試乗できる機会があれば、まずはそれを試してみるのがベストであるとも付け加えておきます。

※自転車に適正な姿勢で乗車できるよう、ハンドルとサドルの位置を調整すること。乗車姿勢が悪いと、自転車もそれに乗るライダーもベストなパフォーマンスを発揮できません。

フレームサイズの比較 クエロ 20FとRIPの場合

以下、身長170cm(ザ・日本人男性の平均)の自分が、クエロ 20Fとtern RIPを購入の際に選んだフレームサイズをご紹介いたします。クエロ 20Fは450mm、RIPは460mmです。ともにメーカーは、身長150cm〜の乗車を可能としたフレーム設計をしています。

クエロ 20F(フレームサイズ:450mm)とRIP(フレームサイズ:460mm)のジオメトリを比較
クエロ 20F(フレームサイズ:450mm)とtern RIP(フレームサイズ:460mm)のジオメトリを比較

上の写真が、それぞれの比較となります。ホイールサイズはだいぶ異なりますが、トップチューブ(フレームの上辺)、ハンドルの位置、サドルの高さはだいたい水平に揃っているのが分かります。

ハンドルとサドルの高さは、後から上げ下げができますが、つまり単純に、

小径車(ミニベロ)≠ フレームサイズが小さい

クロスバイク ≠ フレームサイズが大きい

であるのが、分かります。

フレームサイズとホイールサイズの関係

最後に、フレームサイズとホイールサイズのバランスについて見ていきましょう。トップチューブが水平なホリゾンタルフレームの自転車に限って言えば、むしろホイールサイズから逆算して、フレームサイズが算出(※)されているとも考えられます。

※トップチューブが前上がりに傾斜したスローピングフレームは、フレームサイズがホリゾンタルフレームよりも短く表記されるケースがあるので、注意が必要。

例えば、小径車(ミニベロ)の20インチや、RIPに採用されている650Cという小ぶりなホイールサイズでは、約450mm〜500mmのフレームサイズが、バランスの良い設計となるようです。

クエロ 20F: フレームサイズ 450mmと510mmを比較
クエロ 20F(フレームサイズ:450mm)と同(フレームサイズ:510mm)のジオメトリを比較

上は、クエロ 20Fの異なるフレームサイズを比較した画像です。ホイールサイズはそれぞれ同一で20インチですが、フレームサイズが60mm異なるため、トップチューブの高さの違いが一目りょう然です。地面への足つきに大きな差が出ます。

RIP(フレームサイズ:460mm)と同(フレームサイズ:500mm)のジオメトリを比較
tern RIP(フレームサイズ:460mm)と同(フレームサイズ:500mm)のジオメトリを比較

今度は、RIPの異なるフレームサイズを比較した画像です。クエロ 20Fと同様、トップチューブの高さが異なり、やはり、地面への足つきに最も大きな差がでます。ホイールサイズは同一で、650Cというサイズです。

RIP(フレームサイズ:460mm)と同(フレームサイズ:540mm)のジオメトリを比較
tern RIP(フレームサイズ:460mm)と同(フレームサイズ:540mm)のジオメトリを比較

なお、tern RIPには540mmというフレームサイズがあり、このサイズにだけ700Cホイールが採用されています。700Cは、一般的なロードバイクに採用されているホイールサイズの王道的な規格です。

上の画像を見ても分かる通り、ホイールが大きくなるとフレームのサイズも大きくなり、ハンドルと合わせてサドルの位置も高くなります。フレームサイズ 540mmのRIPにメーカーが推奨する身長は、170cm〜180cmです。

ざっくり書くつもりが、つい長々と説明が続いてしまいましたが、ぜひ、ご自身の体格にあったフレームサイズを十分に吟味して、快適な自転車ライフを!

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