先日、夜間の走行中にRIPのリアタイヤがスローパンクする事態に見舞われ、その原因究明と修理に翌日の丸一日を費やす、といった悲劇がありました。したがって今日は、RIPのタイヤを交換。コンチネンタルのGatorSkinに履き替え、耐パンク性能の向上を図る作業を行います。
ちなみに、その不運な顛末の一部始終をまとめたのが、下の記事です。こちらを先に目を通していただくと、本記事の内容がより分かり易くなるかと思われます。
コンチの「ワニ皮」が、無事手元へと到着
イギリスから日本へ、わずか10日のスピード配送
昨日、イギリスのWiggle.jpへ注文したContinental GatorSkin(wiggle.jpのサイトにジャンプします)が、無事手元へと配達されました。クリスマスのギフトシーズン&猛威を振るうコロナ渦にも関わらず、まさかの10日で日本へお届けのスピード配送。まったく流通に携わる方々の努力には、頭が下がります。
GatorSkinのスペック
それでは、そんな流通業の方々への感謝の気持ちを胸に仕舞いつつ、GatorSkinのスペックを細かく見てまいりましょう。
時代に逆行する650C x 23Cの細タイヤだが
昨今、スポーツバイクのタイヤのトレンドは、以前の細タイヤから、完全に太めのタイヤへと移行しつつあります。今では、ちょい太めの25Cがデファクト・スタンダードになりつつあるのではないでしょうか?
しかしながら、自分が購入したGatorSkinのサイズは23C(※)。一昔前なら大手を振っていた、レーシーな細タイヤの代表格です。実際、RIPに初期装備のKENDAのタイヤは25C。サイズだけ見れば、トレンドに逆行して先祖返りしてしまった感が否めない・・・。
※GatorSkinは、23C、25C、28C、32Cと豊富なサイズ展開がなされているようですが、それはロードの王道、700Cホイールでの話。650Cホイールには、23Cしか選択肢がありません。
タイヤの横幅を実測して見ると、23Cの名が示す通りの23mm。KENDAの25Cは横幅が30mmもあるので、名前とは裏腹にGatorSkinは見た目があまりにも頼りない・・・。
また、タイヤの横幅が異なると直径にも結構な差が出て、キャリパーブレーキとのクリアランスが大きく変わります。
推奨空気圧は7.5〜8.5barの高圧タイヤ
GatorSkinの推奨空気圧は、7.5〜8.5bar。これは、KENDAの25Cも一緒で、ロードレース用のタイヤとしては、ごく一般的な高圧タイヤの数値です。
重量285gの軽量、耐パンク・磨耗タイヤ
気になる重量を計ってみると、GatorSkinはなんと一本が285g。耐パンク・磨耗性能が高いのに、300gを切る軽さです。ちなみに、KENDAの25Cの重量を先ほど計測したところ、約440g(しばらく走って磨耗しているので、新品はさらに重いはず)もあるので、その差は歴然!
「ワニ皮」の由来?タフなポリアラミド繊維のケーシング
タイヤサイドにはDuraskin®と呼ばれる、ポリアラミド繊維を帯状にしたケーシングの外層が見えます。タイヤ最外層の地面に設置するゴムは、この上から接着された構造となります。Duraskin®のタフなレイヤーがタイヤのサイドカットや、あるいは、タイヤの表面に突き刺さった鋭利な破片が、内部のチューブへと貫通するのを防いでくれます。
もしかして、GatorSkin(ワニ皮)なる異名は、このポリアラミド繊維の見てくれを持ってして名付けられたか?
さて、上述のように650Cホイールには、入手性やサイズの選択に難ありのGatorSkinでありますが、700Cなら国内通販での流通量やサイズ展開も豊富。やはり、自転車タイヤの王道、700C/ETRTO 622の強さを見せつけられます・・・。
2023/08/06追記:なんと、Amazonで国内通販ができます!
それではいつもの、テストライドへ
GatorSkinの乗り心地は?
RIPのタイヤをGatorSkinに履き替え、試しに15kmほど走って来たので、以下、その雑感を書き記してみます。結論から言えば、23Cの極細レーシーなタイヤに覚えた最初の不安は見事に払拭され、実に晴れやかな気分で自宅へ戻って来ることとなります。
クッション性の良し悪しは、タイヤ空気圧の管理がキモか?
わずか23mmの細いタイヤに8.5barもの空気を注入しているため、当然、タイヤはコチコチの鬼高圧。路面のわずかな凹凸が、敏感にライダー(自分です)の体へと伝わります。路肩に描かれた白線を踏んでも、その僅かな段差を識別できるほどです。
ただし、全体的に見たクッション性は、懸念していたほど悪くありません。歩道の段差などから受ける大きめな衝撃に関しては、KENDAの25Cとさほど変わらず。この印象は、かなり意外でした。GatorSkinを快適に乗りこなすには、適正な空気圧の管理がキモだと認識しました。
スケートのような滑らかな加速とコーナリングが心地よい
最初は恐々、ゆっくりとクランクを踏んで走行を開始しましたが、すぐに時速20kmを超えてしまうので驚きます。あまりにも加速がスムーズで、まるでアスファルトの上をスケートで滑っているかのような、不思議な感覚を覚えます。
そして、コーナリングが意外なほどスムーズ。タイヤの少ない接地面に対して、グリップ性が非常に優れているのでしょうか?tern RIPはそもそも、コーナリング性能が決して悪くありませんが、GatorSkinに履き替えたら、まるで地面に吸い付くような車体のコントロールが可能になった感じです。
RIPのギアが一枚軽くなった?
加速の良さもさることながら、一度スピードに乗ってからの伸びが最高です。ある程度加速はするものの、高速域に入ってからもたついたり、さらには、妙な減速に悩まされる感じが皆無。何より驚いたのは、KENDAの25Cでは重くてあまり使わなかったトップギアでも、グイグイと走れてしまうこと。
まさにRIPのギアが、一枚軽くなったような走行性能の向上。もう少しGatorSkinで走りこまないと分かりませんが、巡航速度の平均値が時速で3〜5km(※)ほど上がっているのではないでしょうか?
※いつも走る20kmのコースを、毎回アプリのCyclemeter(iOS/Android)で記録しているので、今後はGatorSkinに履き替えてからのデータとの見比べを行いたいところ。もちろん、耐パンク・磨耗性能も併せて観察したい。
総じて、KENDAの25Cは加速がもっさりしていて、高速域でも伸び悩み、そして、自分にとっては、ただただパンクに悩まされたトラウマしか残らなかった・・・。
あと書き
今回、タイヤをGatorSkinに穿き替えるため、KENDAの25Cをフレームから外したら、またもや前輪のチューブに小さな穴が空いていました。前日の夜、20kmほど走って来たのですが、帰宅後にゆっくりと空気が抜けたのでしょう。
この事実だけでも、コンチネンタル GatorSkinという選択肢は、決して間違いではなかった。
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