日本人男性の平均身長(約170cm)を考えると、ホイールサイズはむしろ650Cを選んだ方が、フレーム設計がしやすく、ポジション出しも容易なのではないか?
クエロ 20Fを購入した直後の2014〜2015年ごろ、そのような意見がネットに少なからずあるのを知り、以来、自分はこのアイデアにずっと魅了されていたのは、すでに関連記事(リンク集 650Cホイール「推し」の記事・サイトのまとめ)にもまとめた通りです。
しかしながら、現在のロードバイク、クロスバイクのホイールサイズの主流は700Cで、まったくビクともしない強固なシェアを誇っている。残念ながら650Cは、自転車界の絶滅危惧種に近いマイナー規格です。
今日は気がついたら、そんな絶滅危惧種な650Cホイール車のひとつ、HELMZ 650Cがひっそりと終了していましたというお話です。
HELMZ 650C ひっそりと終了のおしらせ
ternのRIPが家に来た今年の4月(関連記事)、そういえば、昔欲しかったブリジストンサイクルのHELMZの650Cは、今どうしているかと久しぶりにWEBサイトにアクセスしてみると・・・、
そこで目にしたのは、「こちらのモデルは生産を終了しています。」といった小さな文言です。しかもテキストではなく、商品写真の画像内にひっそりと記載されているだけ・・・。
これでまた貴重な650Cホイール車がひとつ、市場から姿を消しました。そもそも、HELMZシリーズ全体が発売されてから、どのくらいの台数が市場に出荷されたのか分からず、また、WEBサイトも最初に開設されたであろう、2011年頃から、一度も更新されていないのでは?といった、寂しい印象。
HELMZのWEBサイトは男性のモデルさんの風貌やポーズが、いちいちちょいワルオヤジかサードウェーブ男子で、ただただ、時代の流れを感じます。自転車メーカー×アパレルコラボの流れも、きっとこの当時は斬新だったのでしょう。
また、価格設定も比較的高価であったため、決してクロスバイクとして市場で人気が出たとは言えないHELMZシリーズ。ややマイナーだったその存在の中で、さらにマイナー規格の650Cが淘汰されてしまうのは仕方がないと言えば、仕方がないか・・・。
もはや現在、「650Cホイールかつ、エアロ形状のアルミフレーム」といったニッチすぎる需要(自分はそういうのが好きなのですが)は、tern RIPが一手に引き受ける格好となってしまいました。
話は変わりますが、ブリジストンサイクルは、クエロのシリーズにも650C(製品名:クエロ 650F)をラインナップしています。しかしどちらかと言えば、自転車にマニアックな層から熱く受け入れられた小径車(ミニベロ)のクエロ 20Fと異なり、クエロ 650Fがどのくらい市場に出回ったのか、こちらも実態が掴めず。
できれば、これからも細々と市場に生き残り、我々のような「650C難民」の希望の灯火であり続けていただきたい・・・。
結局、女性受けしなかった?エアロ形状のアルミフレーム
そもそもHELMZは、小柄な女性でも乗れるよう650Cのラインナップを設定したのか?いまいちターゲットが明確ではありませんが、発売されたカラーはホワイト、ブラック、アンバーブラックと、むしろ男性が好むモノクロな展開。
比較の対象として、tern RIPのフレームデザインを引き合いに出せば、発売当初の2016年〜2017年は、やや中性的でユニセックスなイメージを押し出していました。公式サイトのイメージ写真も女性モデルを積極的に起用しており、この当時の戦略は明らかです。
しかし2018年以降、RIPのフレームはトップチューブの形状が大きく変更され、完全に男性が好む精悍な方向へ、路線がシフトされたように見受けられます(関連記事)。
結局のところ、女性は「エアロ形状なアルミフレーム」のクロスバイクを好まなかった。なにやら市場が出したそんな回答を、垣間見た気がいたします。
YouTubeを見ても、女子サイクラーはみんなガチなロードバイクに乗っているしね・・・。